2023.06.04

PFASを安全に除去できる浄水器(比較表)選び方のポイントとは?

PFOS/PFOAをはじめとした有機フッ素化合物(PFAS)は、近年、その有害性に鋭い注目が集められ、国内外で規制が強化されています。本記事では、PFOS/PFOAを除去できる浄水器およびPFASの基礎知識と最新情報について解説します。

【基礎解説】有機フッ素化合物(PFAS)とは?

PFASには4,700種類以上の物質があり、それぞれ構造が少しずつ異なります。これらの物質は発がん性や発達に影響を及ぼす可能性があることが研究で報告されています。

とくにPFOSとPFOAは、環境中で分解されにくい「永遠の化学物質」と呼ばれています。一度体内に入ると長期間残留し、蓄積されやすい性質を持っています。*1

*1 JKennedy, G.L., Jr., Butenhoff, J.L., Olsen, G.W., O’Connor, J.C., Seacat, A.M., Perkins, R.G., Biegel, L.B., Murphy, S.R., and Farrar, D.G., The toxicology of perfluorooctanoate. Crit. Rev. Toxicol., 34, 351-384(2004)

PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)

1950年代半ばにアメリカで開発されたのがPFOSです。半導体の製造時に使用される薬剤(半導体用反射防止剤)や、レジスト(電子回路基板を製造する際に表面に塗る薬剤)、金属メッキ処理剤、火災時の泡消火薬剤などに歴史的に用いられてきました。

PFOAは、フッ素ポリマー加工助剤として、鍋底が焦げつきにくいテフロン加工の調理器具や食品包装紙など、日常の身近なところでも使用されています。

PFOS・PFOAのいずれも、安定性が高い化合物のため、分解されにくく体内に蓄積しやすい種類のものです。*2

*2 環境省が参考資料としてわかりやすくリーフレットにまとめています。詳しくご覧になりたい方はこちらからどうぞ。

POPs条約とは?国際的に規制が進む有機フッ素化合物(PFAS)

有機フッ素化合物(PFAS)は、半世紀以上にわたって世界規模で使用されてきました。しかし次第にその危険性が認識されるようになり、2001年には、国際的にPFOS/PFOAの製造や使用を制限することを明記した「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)が採択されました。

日本は20年遅れ・・・2020年からPFASが要監視項目に

日本でも、POPs条約から遅れること約20年後の2020年(令和2年)、ついにPFOS/PFOAが要監視項目(水質管理目標設定項目)に指定されました。

現在では、暫定的な目標値として、PFOS/PFOAの合算値で0.00005mg/L以下(50ng/L以下)という基準が示されています。

※参考:ストックホルム条約 | POPs(環境省)

とはいえ、水質管理目標設定項目は浄水場では規制対象外であり、基準値以下になるよう処理されるという訳ではありません。

自宅周辺のPFASの汚染状況をチェックする方法

こうした経緯から、日本でも環境省の主導で全国的な有機フッ素化合物の状況把握調査が実施されており、ウェブサイトでPFASの検出情報が公表されています。地域によっては注意を要するため、気になる方は一度ご自宅付近の状況を調べてみてはいかがでしょうか。

参考:環境省による「有機フッ素化合物全国存在状況把握調査」の結果

調査が実施された143地点のうち、12都府県の21地点において、水環境の暫定的な目標値(PFOS及びPFOAの合算値で50ng/L)の超過が確認されました。なお、暫定的な目標値を超過した地下水・湧水は、いずれも飲用用途の水ではありませんでした。

令和2年度有機フッ素化合物全国存在状況把握調査の結果について|環境省

浄水器の設置によってPFASを除去できるのか?製品選びのポイント

こうした状況を踏まえて、浄水器を利用するご家庭は年々増えています。

PFAS対策の浄水器を選ぶ際には、第三者機関による浄水性能試験(NSFやJIS)の結果情報をしっかりチェックし、除去性能を吟味した上で製品を選ぶ必要があります。

そのほか、浄水性能を維持するためにフィルター交換の頻度やコストも視野に入れましょう。家族構成や生活スタイルも考慮し、最適な製品を比較検討することが大切です。

選び方のポイント1.JISの基準だけではPFASの除去性能はわからない

日本で販売されている浄水器の多くは、JISの規格に基づいた品質検査が行われています。

JISで浄水器をテストする場合、「家庭用浄水器試験方法(JIS S 3201)」という試験を受けることになります。ただし、この検査の除去対象物質の中に、PFOS/PFOAはありません。

除去性能について認証を受けるためにはこれとは別に、日本浄水器協会の自主基準「JWPAS B.210」(PFOS/PFOAを2023年の改訂で追加)の性能試験を追加で受ける必要があります。

JISやJWPAの基準は、試験自体が自主申告制であることにも注意しましょう。

選び方のポイント2.除去物質数や除去率は浄水性能試験の内容や精度に左右される

一般的に浄水器は「除去物質数が多い=高性能」と思われがちですが、じつはそう単純な話ではありません。

なぜなら除去物質数や除去率は、試験機関ごとに定められている浄水性能試験の内容や精度によって大きく変動があるからです。

JWPA(JISNSF
試験基準の想定一般的な日本の水道水高濃度汚染や多様な水質条件
試験水のPFAS含有量50 ng/L1500 ng/L
合格基準(除去率)80%
※PFASは目標管理項目なので保証なし
95%以上

国際的なNSF認証と日本独自のJWPA(JIS)基準の違いは、上記のとおり明確です。NSF認証は、PFAS濃度1500ng/Lという高濃度かつpH6.5・8.5の両条件下で95%以上の除去を求め、年次監査も実施される厳格な国際基準です。

一方、JWPAの基準は50ng/Lの低濃度で80%以上の除去が合格条件で、試験は一度きり、継続的な監査もありません。試験条件や信頼性において両者には大きな違いがあることにも着目しましょう。

国際基準「NSF認証」とは?

国際認証基準NSFは、行政、業界団体、メーカー、そして消費者からも独立した、中立的な立場をとる国際的な第三者機関です。

約80年の歴史があり、1996年には世界保健機関(WHO)における飲料水の安全と処理に関する実務機関にも指定されました。

浄水器をはじめ、世界中の公衆衛生機器の安全性を確認するため、厳しい条件のもと検査を行い、合格したものに認証を付与しています。

NSF認証を取得するには、非常に厳しい条件の試験が何度も行われます。

たとえば、

  1. 汚染物質除去性能表示を試験確認していること
  2. 素材から飲料水に混入するような有害物質が出ないことを確認するため、試験を行うこと
  3. 構造上問題がないことを確認するため、圧力試験を受けること
  4. 広告宣伝、取扱説明書など、表示は、誤解を招かないこと
  5. つねに高品質の浄水器が提供できるよう、製造過程を調査すること

などの条件があり、認証期限はたった5年です。5年に一度はかならず再試験を受ける必要があるほか、年に一度、工場の抜き打ち検査もあります。原材料やサプライヤーを変更した場合、製造工程を変更した場合は、再試験が実施されます。

PFASを95.5%以上除去できる浄水器「マルチピュア」

創業55年を迎えた米国生まれの浄水器ブランド「マルチピュア」は、PFOS/PFOAのみならず、水道水のなかに潜む最多104種類の有害物質をほとんど100%取り除くことができます。

マルチピュアは「世界最多」の認証

有機フッ素化合物(PFAS)はもちろん、ウイルス・バクテリア・ヒ素まで除去できるのは、世界で唯一、マルチピュアの浄水器だけ。

NSF認証取得済みのフィルターカートリッジは、世界中に約1万2,000種ほどありますが、なかでもマルチピュアの『Aquaextra』シリーズは、世界最高峰の浄水性能を有することが証明されています。

PFASについては、除去率95.5%以上という高い水準で除去することが可能です。

おすすめ浄水器のPFAS除去性能と認証試験結果の比較表(まとめ)

メーカー製品例PFAS除去性能(PFOS/PFOA)認証・試験基準試験機関
マルチピュア
(Multipure, USA)
Aquaextraシリーズ約95%以上NSF/ANSI Standard 53NSF International
クリンスイ
(三菱ケミカル・クリンスイ, Japan)
CPC5, HGC9S 等約80%以上JWPAS B.210外部認定試験機関
トレビーノ
(東レ, Japan)
カセッティシリーズ約80%以上JWPAS B.210外部認定試験機関
パナソニック
(Panasonic, Japan)
TK-CJ24 等約80%以上JWPAS B.210(2023改訂版)外部認定試験機関
ブリタ
(Brita, Germany)
マクストラ等約80%以上JWPAS B.210外部認定試験機関

主要メーカーの浄水器について、PFAS除去性能を比較すると上記のとおりになります。

浄水器の除去性能を比較する際はかならず、認証試験の基準や試験濃度、除去率、継続的な品質管理体制に注目しましょう。

とくにNSF認証は、国際的に厳格な条件下で高い除去率が求められるため、信頼性や安全性の指標となります。

有機フッ素化合物を除去して「あんしん」に。

もちろん、PFASを除去できるのはAquaextraシリーズだけではありません。

その他のすべてのモデルで、同様にPFASを除去できます*

* 2025年現在、Aquaextraシリーズ向けカートリッジ以外ではNSF認証を取得していないため、公式サイトの除去項目にはPFASを記載しておりませんが、Aquaextraシリーズ以外のモデルも同じ活性炭フィルターを使用しています。PFASの除去性能は同等なので、安心してご利用いただけます。

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