2025.09.03

浄水器の除去物質数の比較方法とは?選び方の基準

こんにちは、マルチピュアジャパンお水ブログ編集部です。

浄水器の選び方についてお客様から時折、「除去物質数は多ければ多いほどよいのか?」「どんな基準や認証を確認すればよいのか?」というご質問を受けることがあります。

じつは浄水性能情報として表示されている除去物質数は、単純に数字が多い=安心とは限りません。本当に大切なのは、有害物質をどこまでしっかり除去できるか、という浄水性能の中身のお話になります。

この記事では、浄水性能の正しい確認方法、浄水器の選び方のポイントを解説します。ご家族の健康とおいしい水のために、ぜひ最後までご閲覧ください。

除去物質数や除去率は「浄水性能試験」の内容や精度に左右される

一般的に浄水器は「除去物質数が多い=高性能」と思われがちですが、じつはそう単純な話ではありません。

なぜなら除去物質数や除去率は、試験機関ごとに定められている浄水性能試験の内容や精度によって大きく変動があるからです。

たとえば同じく「17項目を除去」と書かれている浄水器があっても、試験方法や基準が違えば、実際の浄水能力は異なります。

つまりパッケージに表示されている数字だけでなく、「どんな基準で、どれほど厳しい試験をクリアしたか」を確認することによって、機種別の浄水性能を正確に比較することができます。

日本の浄水器によく見られる3つの試験基準と除去物質数

除去物質数とは、浄水器がどれだけ多くの有害物質を取り除けるかを示す数字です。けれども、この数字が大きいからといって必ずしも高性能な機種であるとは限りません。

数字の意味を理解するために、まずは日本で販売されている浄水器が一般に受けている性能試験の規格をチェックしましょう。

規格1.JIS S 3201(家庭用浄水器試験方法)

JISは最大で17種類の物質を評価対象としています。厚生労働省が定めた条件下でメーカーが独自に自主試験する形式です(第三者機関が試験する形式ではありません)。

日本の水道水質基準に基いており、「水道水がそのまま飲める」とまで言われる安全な日本の水道事情に合わせた性能基準と言えます。以下に説明する国際基準とは評価対象や試験条件がまったく異なります。

規格2.JWPA(浄水器協会)

JWPA(一般社団法人 浄水器協会)とは日本国内の浄水器メーカーで構成されている業界団体です。

JWPAが提供する自主基準は、ほとんどJIS S 3201に準拠した試験項目です。それに加えて協会独自の追加試験項目も設けられています。

そのため、JIS単独で性能試験を受けるよりもやや広範囲のリスク物質に対応することができるようになっています。

試験方法や基準値などもJISに準拠している部分が多く、JISと同様、以下の国際基準とは趣がまったく異なることに注意しましょう。

規格3.NSF

アメリカ合衆国ミシガン州に本部を置き、世界150カ国以上で水・食品・健康関連製品の安全基準を策定・認証している国際的な第三者機関がNSFです。

WHO(世界保健機関)や米国EPA(環境保護庁)など公的機関からも高く評価されており、浄水器分野では、鉛・PFAS・医薬品・バクテリア・VOCなど多岐にわたる有害物質を、科学的かつ独立した厳格な基準で評価します。

例外:メーカーの独自基準のみの場合

まれに、第三者認証のない浄水器が販売されているケースもあります。アメリカなど諸外国ではNSF認証のない浄水器は市場に流通することすら叶いませんが、日本では浄水器に関する安全規制がありません。

その場合、メーカー独自の自主規格で性能試験が行われているでしょう。試験の詳細は非公開なこともあり、信頼性や安全性に対する裏付けが弱いため、浄水器選びの際には注意が必要です。

除去物質数の比較方法とは?浄水器の正しい評価の仕方

適用されている試験基準や試験方法、試験時の条件などによって、浄水器の性能や安全性に対する評価は大きく異なります。

だからこそ除去物質数や除去率の表示だけで製品を比較するのではなく、その数値の根拠となる基準や試験内容もあわせてしっかり確認しましょう。

信頼できる浄水器を選ぶために、情報開示されている性能試験の総合的なチェック方法を解説します。

はじめに人工汚染水の濃度や量を確認しよう

浄水器の浄水性能評価においてとくに重要になるのは人工汚染水を使った試験です。

人工汚染水とは、有害物質を人工的に加えた水のこと。規格によって定められた濃度や量の水を正確につくり、それを浄水器に通し、どれほど徹底して除去できるかを客観的に調べます。

メーカーが自主的に試験水をつくる場合(JISやJWPA)もあれば、中立的な立場の第三者機関に試験を一任する場合(NSF)もあり、それぞれで信頼性の高さが異なります。

性能試験のクオリティの違い(例:PFAS)

PFAS(有機フッ素化合物/PFOS・PFOA)は、極めて分解されにくく、発がん性や内分泌かく乱作用など健康リスクが国際的に問題視されている物質です。

マルチピュアの浄水器はいずれもNSF/ANSI 401という国際的に権威のある認証を取得しています。NSFの認証試験では、PFOS・PFOAそれぞれ1500 ng/L(ナノグラム/リットル)という、実際の水道水よりもはるかに高い濃度で試験が行われました。

JISやJWPAと試験水を比較

JIS(JWPA)NSF
試験基準の想定一般的な日本の水道水高濃度汚染や多様な水質条件
試験水のPFAS含有量50 ng/L1500 ng/L
合格基準(除去率)80%
※PFASは目標管理項目なので保証なし
95%以上

NSFの試験方法では、一定期間にわたり高濃度のPFASを含む水を通水し、除去性能が持続するかどうかを厳しくチェックします。マルチピュアの浄水器はこの条件下で95%以上という高い除去率を達成しました。

国際認証NSFと日本独自規格JISの違い

日本工業規格JISとグローバル基準であるNSF認証は、重視しているリスクが異なると言えます。

日本の水道水はもともと比較的安全で、そのまま飲むこともできる水質です。JISは日本の水道水質基準に合わせた内容とされており、塩素のニオイを除去するなど、国内で生活する方々が直面するリスクに特化しています。

一方、水環境が劣悪な世界中のあらゆる地域で、絶対に飲むことはできない水道水を安全なものに変えるために、マルチピュアは誕生しました。浄水性能を認証している世界最高峰の第三者機関であるNSFは、鉛・PFAS・医薬品・バクテリアなど幅広いリスクを想定し、科学的かつ極めて厳格な基準で網羅的に浄水試験を実施し、認証しています。

参考:JIS S 3201に定めのある除去物質数

JIS S 3201(家庭用浄水器試験方法)で定められている除去対象物質には、法定表示対象である必須の12物質と、任意で試験表示できるその他の物質があります。

法定表示対象の除去対象物質(必須12項目)

物質名主な概要
遊離残留塩素水道水殺菌に添加される塩素
濁り微粒子・浮遊物等による水の濁り
クロロホルムトリハロメタンの代表、有機塩素化合物
ブロモジクロロメタントリハロメタン成分
ジブロモクロロメタントリハロメタン成分
ブロモホルムトリハロメタン成分
テトラクロロエチレン有機溶剤、VOC
トリクロロエチレン有機溶剤、VOC
総トリハロメタン上記4種トリハロメタンの合計
CAT(農薬)トリアジン系除草剤
2-MIB(カビ臭)淡水由来の臭気物質
溶解性鉛給水管由来
※参考:消費者庁HP

世界ナンバー1のマルチピュアの除去物質数は「最多104項目」

マルチピュアはアメリカ生まれの家庭用浄水器ブランドです。スタンダードモデルで98種類、最上位モデルでは最多104種類の有害物質を約99%除去することができます。

最近日本でも話題となっているPFAS(有機フッ素化合物)やベンゼン、残留農薬、マイクロプラスチックなどにも対応しており、モデルによってはバクテリアやウイルスにも対応しています。

日本のJIS規格や浄水器協会(JWPA)の基準では12〜17項目ほどの除去項目数となりますが、NSF認証を受けているマルチピュアはその5倍〜9倍もの有害物質の除去性能が証明されています。

【Q&A】浄水器の除去物質数についてよくある質問

Q1.除去物質数が多いほど「良い浄水器」だと言えますか?

A. 本当に大切なのは“数”だけではありません。

同じ「除去」といっても、除去率(例:80%除去、99%除去など)や試験条件(高濃度の汚染水でテストしたのか、実際の水道水レベルなのか)によって、実際の性能は大きく変わります。

つまり、「数」だけでなく、「どんな物質を、どんな基準・除去率でクリアしているか」「その認証や試験方法は信頼できるか」をしっかり確認することが、失敗しない浄水器選びのコツであると言えます。

Q2.JISや浄水器協会の認証のある浄水器を使えば安心ですか?

A.  除去性能の“守備範囲”をチェックしてみてください。

JISやJWPA(浄水器協会)の認証は、日本の水道水事情に合わせ、現在の日本の水質リスク(塩素・鉛・トリハロメタンなど)を中心に設計されています。

そのためマイクロプラスチックや新しい農薬、微生物、重金属といった“国際的な新リスク”には十分に対応していません。

一方、NSF認証などの国際基準をクリアしたモデルは、より幅広い有害物質や最新リスクにも対応しています。将来の水質変化にも備えたい方は、より除去物質数が豊富な国際基準を満たすモデルを選ぶことをおすすめします。

Q3.JIS規格の浄水器ならPFASも除去できますか?

A.  PFAS(有機フッ素化合物)は除去対象物質に含まれません。

PFASを除去したい場合には、JISにあわせて浄水器協会(JWPAS)の規格、もしくはNSFによる試験結果で除去性能が確認された製品を選ぶ必要があります。

なお、NSF認証の浄水器をお探しの方は、「NSF/ANSI 401」におけるPFOS/PFOAの除去試験結果をチェックしてみてください。

Q4.カートリッジ交換をサボると除去項目数は落ちますか?

A.  交換時期を過ぎると浄水器の除去性能は低下することがあります。

浄水器のフィルターカートリッジは、使い続けるうちに徐々に目詰まりしたり、吸着能力が落ちてきます。さらに放置していると、フィルター内部で雑菌が繁殖したり、逆に有害物質が溶け出してくるリスクも。

せっかく高性能な浄水器を購入しても十分に不純物を除去できなくなってしまう恐れがあるため、メーカーが推奨する交換サイクル(例:3ヶ月、6ヶ月、1年など)は必ず守るようにしましょう。

なおマルチピュアの浄水器フィルターの交換時期の目安は、購入から1年後です。使用水量や水質によっても変わるので、こまめにフィルターの状態をチェックすることをおすすめします。

【早見表】浄水器の除去物質数・価格比較表

他社も含めた主要メーカーの人気モデルを「除去物質数」「認証」「価格」などで一目で比較できる早見表をご用意しました。浄水器選びに迷ったときにはぜひご活用ください。

メーカー/モデル除去物質数認証基準本体価格(目安)
パナソニック
TK-CJ24
19JIS S 3201
JWPA
9,500円~18,000円
三菱ケミカル・クリンスイ
CSP801
15JIS S 3201
JWPA
5,000円~6,500円
東レ トレビーノ
カセッティ206MX
16JIS S 3201
JWPA
7,000円~10,000円
LIXIL INAX
オールインワン浄水栓
スタンダードタイプ:13
ハイグレードタイプ:18
JIS S 3201
JWPA
40,000円~60,000円
マルチピュア
アクアエクストラ
104NSF/ANSI規格42
NSF/ANSI規格53
NSF/ANSI規格401
NSF/ANSI規格P231
NSF/ANSI規格P473
NSF/ANSI規格P477
152,900円
(卓上モデルの場合)
※本体価格は2025年9月時点の各メーカー公式サイト・主要通販サイトを参考にした目安です。最新情報は必ず公式・販売サイトでご確認ください。
« »
各種お問い合わせはこちら